交通事故の加害者が任意保険・無保険車だったらどうなる?泣き寝入りか?

突然起こる交通事故。もし加害者が任意保険に入っていなかったらどうなるでしょうか。しかし、実際に無保険車などそんなにいるのでしょうか。2019年3月末時点の日本損害保証協会の調では、任意保険の加入割合は全国平均で88.2%です。

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残りの11.8%の車両が無保険車。100台のうち約12台が無保険車ということになり、無保険車は、意外に多いことが分かります。無保険車があなたの加害者になった場合、一番厄介なのが、慰謝料の請求などを自分で加害者にしなければならないことです

 

加害者が任意保険に加入していれば保険会社の担当者同士で全部やってくれます。あなたの手を煩わせることは、一切ありません。

 

今回は交通事故の加害者が無保険車だった場合についてご紹介します。

 

「無保険車傷害保険」に加入していれば、自分の保険で補償されるよ! 

 

無保険車傷害保険(無保険車傷害特約)とは、加害者が自動車保険に加入していない、加入していても運転手の年齢条件があっていない、家族限定の車に家族以外の運転手だった、などの理由により十分な補償が得られない場合に、自分の自動車保険で補償を受けるために加入する保険です。

 

交通事故の加害者が任意保険に加入していない、いわゆる無保険車の場合でも、あなたが無保険車傷害保険や無保険車傷害特約に加入していれば任意保険会社から死亡・後遺障害による損害に対しての保険金支払を受けることができます。

 

しかし、死亡・後遺障害による損害に対してのみの補償となり、怪我や車両の損害は、対象外です。

 

「無保険車傷害保険」に未加入なら加害者の自賠責保険から補償される!

 

それでは加害者が無保険車で、あなたが無保険車傷害保険に未加入ならどうなるのでしょう。そんな場合は、加害者の自賠責保険で補償されます。

 

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 自賠責保険は強制保険ですから車検の時に加入させられ、未加入で運転した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金という罰則規定もあります。

 

しかし、自賠責保険は交通事故被害の最低限度の補償が目的で、

人身事故のみの補償となり、物損事故の補償はありません。

また、補償額にも上限が設けられています。

 

自賠責保険の補償額の上限】

自賠責保険では補償額に上限が設けられています。上限額は慰謝料・治療費・休業損害などの総額です。

 

被害の程度

補償額の上限

障害による損害

120万円

後遺障害

・第1級:4千万円

(常時介護が必要)

・第2級:3千万円

(随時介護が必要)

死亡

3千万円

 

 

このように自賠責保険により、人身事故ついては最低限度の補償はされますが加害者との示談交渉などは、自分でやらなければならないので大変です。

 

まとめ

◎加害者が無保険車の場合でも、あなたが無保険車傷害保険・無保険車傷害特約に加入していれば任意保険会社から保険金支払を受けることができます。

 

◎無保険車傷害保険は、死亡・後遺障害による損害に対してのみの補償です。

 

◎加害者が無保険車で、被害者も無保険車傷害保険に未加入の時は、加害者の自賠責保険で補償されます。

 

自賠責保険は、人身事故のみの補償となり、物損事故の補償はありません。