それは、入浴中に突然起こったよ!

その日、1日の任務が終了し、いい気分で入浴中でした。

湯船につかり、何げなく下を見たら「ん……」。お腹のへその右下がぽっこりと膨れていました。「なんじゃこりゃ?」

 

びっくり仰天、湯船から上がり、恐る恐るお腹を調べました。こぶし位の大きさで右下腹部に膨らみが出来ているのです。とっさにその昔に脱腸という言葉を聞いたことを思い出しました。

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赤ちゃんが強く泣くと腸が陰嚢に下りてきて、陰嚢が大きく膨らんでくることがあるそうです。そのときは、静かに陰嚢を揉んで上の方に押し上げると治るそうです。

 

聞いただけで見たことはないので陰嚢が大きくなるのが脱腸だと思っていました。こわごわ、こぶし大の膨らみを手でゆっくりとお腹の中に押し込んでいくと膨らみは消え、普通のお腹になりました。

 

突然訪れた脱腸。夢にも思わなかった脱腸。今回は、脱腸についてご紹介いたします。

 

脱腸って医学用語?本当は、なんて言う!

なんで腸が飛び出すの?

 

脱腸は、腸が正常な位置から脱する事から脱腸と言うようですが医学用語では鼠経(そけい)ヘルニアと呼びます。鼠経ヘルニアは、お腹の鼠径部(下腹部)から小腸が飛びです病気です。

 

飛び出した腸は、手で押したり仰向けになるとお腹に入り正常な状態になります。でも立って力を入れると、またすぐに飛び出します。

 

弱くなった筋肉の隙間から腹膜と一緒に飛び出しますから出たり入ったりしているうちに腹膜も伸びて袋のようになって、簡単に飛び出すようになります。

 

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 私も何とか手術をしないでも直す方法がないかネットで色々調べました。幼児の場合は、成長と共に自然治癒の可能性がありましたが成人の場合は、手術が完治する最善の方法でした。

 

飛び出した腸が隙間に挟まって引っ込まなくなる、陥頓ヘルニアになると腸が壊死してしまい緊急手術になるそうです。お医者さんに脅かされて手術に踏み切りました。

 

鼠経ヘルニアの手術は、簡単にできるの!

 

鼠経ヘルニアの手術は、簡単でした。局部麻酔で済みます。

鼠径部にメスを入れ、腸を正常の位置に戻し緩んだ横隔膜を切り取り、縫い合わせて横隔膜のゆるみを修正します。

 

次に筋肉の隙間を人口の膜で塞ぎ筋肉と縫い合わせます。使用する糸は、一定時間後に自然に溶ける糸だそうです。最後にメスを入れた部分を縫合して完了です。これももちろん抜糸などいらない溶ける糸です。

 

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 手術時間は、準備時間を入れて2時間。メスを入れてから閉じるまでは。1時間くらいでした。翌日には食事が出、歩くことも自由でした。

 

1週間で退院しましたが生まれて初めての手術でしたので大変緊張しました。手術台が想像していたのより狭く、驚きました。大人1人が寝る幅しかなく、両手は横に伸ばして張り付け状態でした。

 

鼠経ヘルニアは、1回手術すると大丈夫なの?

再発はないの?

 

鼠経ヘルニアは、筋肉の隙間を人口の膜で塞ぎますので再発はないそうです。その前は筋肉同士を糸でつないでいたために離れたりすることがあったそうです。

「元気になる注射とナース」の写真[モデル:茜さや]

 

 でも私が入院していた時に同室した患者さんは、2度目の手術ということでしたのでよく話を聞くと前回は右鼠径部で今回は左鼠径部だそうです。左右の鼠径部に脱腸の恐れがあるようです。

 

これには、少々驚きでした。でもこれも再発とは、いわないでしょう!

 

まとめ

鼠径ヘルニアについてまとめました。

 

・脱腸の医学用語は、鼠経(そけい)ヘルニアといいます。

 

・鼠経ヘルニアは、鼠径部(下腹部)の筋肉の隙間から腹膜ごと飛び出す病気です。

 

・鼠経ヘルニアは、手術で治すのが最良の方法です。

 

・陥頓(かんとん)ヘルニアになると挟まった腸が壊死しますので緊急手術が必要にな    ります。

 

・鼠経ヘルニアは、左右の鼠径部で起こる可能性があります。