猫にマタタビの謎?

「猫にマタタビ」は、大好きなものを例えたことわざです。実際に猫はことわざ通り、マタタビが大好き。 マタタビはつる性の植物で、ネコが匂いをかいだときの反応は、江戸時代の浮世絵にも描かれています。

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マタタビ入りの猫用おもちゃ、枝や実、粉末のものが市販されており、マタタビ好きは、ネコ科の動物にだけ見られる特徴として広く知られています。

 

猫は、マタタビの枝には体を擦りつけようとし、実をなめたり食べたり、匂いを嗅いだりすると酔ったような陶酔状態になります。はたして、このとき、猫の体になにがおきているのでしょうか。

 

今回は「猫にマタタビ」の謎についてご紹介いたします。

 

マタタビの実の正体は!

 

 

マタタビは、マタタビマタタビ属の落葉つる性の植物です。秋口になると3センチくらいのどんぐり型の実をつけます。別名「夏梅」と称されるように、7月頃になると白梅のような花を咲かせます。

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 このとき、花にマタタビアブラムシという虫が卵を産み付けると、虫えい果(ちゅうえいか)と呼ばれる凸凹した実になります。

 

これは木天寥(もくてんりょう)と呼ばれて、古くから漢方薬に使われてきました。通常に育ったどんぐり状の実は塩漬けにして食べてきました。

 

旅人が、この果実を食べることで元気になり、また旅が続けられたので、「マタタビ」の名が付けられたそうです。

 

猫はマタタビに、なぜ体を擦りつける?

 

猫にマタタビを与えると、猫はマタタビの葉にすりすりと体をこすりつけます。この動作は、マタタビの葉に原因がある事を岩手大や京都大、名古屋大などの研究チームが実験で突き止めました。

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マタタビの葉にある「ネペタラクトール」という成分に、蚊を寄せ付けない効果を持つことが突き止められました。

 

したがって猫のマタタビ反応は、蚊から身を守るために「ネペタラクトール」を体にぬるという重要な行動だったのです。

 

チームは、他のネコ科動物でも同じ反応があるか、調べるために「ネペタラクトール」をジャガーアムールヒョウ、シベリアオオヤマネコにかがせたところ猫と同じ反応を見せたそうです。

 

木天蓼の効用とは何?

 

木天蓼(もくてんりょう)は、木天蓼10~15グラムを、0.6リットルの水で煎じながら約半量まで煮詰めたものを、こして、1日3回に分けて食間に服用すると、体を温めて血行をよくして、強心、利尿、冷え性、神経痛、リューマチ、腰痛などに、効用があります。

 

木天蓼を猫に与えると、これをなめたり食べたりした猫は、酔ったような陶酔状態になります。これの原因についても先の研究チームは、ネコがマタタビをかいだ時、脳内麻薬の濃度が上がっていることを突き止めました。

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陶酔状態になることで蚊に刺されたかゆみを軽くしているのでしょうか。それとも人間が酒を飲んで陶酔状態になり、ストレスを発散しているのと同じなのでしょうか。猫に聞いてみないと分かりませんね。

 

まとめ 

 

猫はマタタビが大好きです。その原因は、マタタビの葉に蚊を寄せ付けない成分があることです。また、その実を食べると酒に酔ったような陶酔状態になります。

 

マタタビは人間にも効用があり、体を温めて血行をよくして、強心、利尿、冷え性、神経痛、リューマチ、腰痛などに、効き目がある漢方薬として使われています。