カメムシは、どうして家の中に入りたがる!
あなたはカメムシをご存知ですか。アルミサッシの窓や網戸の隙間から、いとも簡単に入ってくる体長5ミリ、熱さ3ミリ程の害虫です。
【手についたカメムシ】
蜂のように毒針で刺したり、蚊のように血を吸ったりして我々に危害は加えませんがこの虫の厄介なのは、危険を感じると強烈な臭いにおいを発するのです。
誤って足で踏みつぶしたり、衣服のポケットに入っているのをうっかり手でつかんだりしたら大変なことになります。強烈な臭いが手や足に染みつき洗っても容易には落ちません。
茶褐色のステレス戦闘機のような形をしたカメムシ。今回はこんな厄介なカメムシについてご紹介します。
カメムシは、どこから生まれる!
カメムシはカメムシ目・カメムシ亜目に入る、口が針状になっているのが特徴である昆虫で背中が五角形のような形になっていてこの部分が固さもあり亀の甲羅のようにも見えるのでカメムシと呼ばれています。
【カメムシの卵】
ヘッピリ虫・ヘクサムシ・クサンボ・クサムシ・ヘコキ虫と地域によって呼び方が違い、私が住む秋田県南ではアネコ虫と呼び、隣の山形ではヘキサンボという呼び名です。
日本国内では90種類以上が確認されていますが、よく見かけるカメムシの種類としてはクサギカメムシやマルカメムシ、アオクサカメムシなどがいます。
カメムシは、はたしてどこから生まれるのでしょうか?しかも大量に!
カメムシは主に4月ぐらいから繁殖期を迎え、一度に80個もの大量の卵を産卵します。
産卵した卵は1週間から10日ほどで孵化します。孵化したカメムシの幼虫は何度か脱皮を繰り返したのち、約1か月で成虫へと成長していきます。
そのために我が家では6月頃になると白い外壁が黒くなるほどカメムシの大群が押し寄せてきます。6月になると洗濯物を外には干せません。網戸やアルミサッシの隙間から、いとも簡単に室内に入り込みます。
我が家の周りはスギの木で覆いつくされ、雑草も生い茂っています。このスギと大量の雑草にカメムシが住みついているようです。
そして気温が下がってくる10月頃になると再び白い外壁にカメムシの大群が押し寄せてきます。暖かい室内に入り込み越冬するためです。本の中やアルミサッシや網戸のレールの間など、どこでも入り込み越冬します。
【カメムシの幼虫】
春まで越冬したカメムシは繁殖活動をし、繁殖活動が終わると寿命を迎えます。したがってカメムシの寿命は1年半ぐらいです。
こんなわけで我が家には、年に2度、春6月、秋10月に決まってカメムシの大群が押し寄せて来て、一家の大奮闘が始まるのです。
カメムシはなぜくさい!
蜂のように毒針で刺したり、蚊のように血を吸ったりして我々に危害は加えませんがこの虫の厄介なのは、においです。とにかく臭い、風呂場に侵入したカメムシが風呂に飛び込む事が時々あります。
風呂と風呂場が臭くなりパニックになります。タオルについたカメムシを知らずに体を拭いたりすると臭くて風呂に入った意味がなくなります。
どうしてこんなに臭いのでしょう。卵から出てきたばかりの幼虫は、丸々して頭と足以外は赤色をしています。このころは臭い分泌液は出しません。
しかし成虫のカメムシは危険を感じると飛び立ちながら「ビュー」と分泌液を出します。これが臭みの成分でトランス―2-ヘキサナール・トランス―2-ディセナールというアルデヒドが主成分の有害物質です。手にかかると手が赤く腫れ、ヒリヒリします。
カメムシはこの有害物資を足の付け根にある臭腺から放出して外敵から身を守っているのです。
カメムシは農作物にどんな被害を与える!
カメムシの口にはストローのような針状の口器がついており、この口器を使って果物や植物の茎・葉などを刺し水分を吸って生きています。
この時に植物の組織が破壊されてしまい、農作物の生育不良や収穫物の腐敗や損傷が出てしまいます。特にお米の場合は斑点米(はんてんまい)といってお米の表面に黒い斑点が付きランクが下がり価格も下がります。
このため農家では7月下旬からは田んぼの周りの草刈り禁止令がでます。草を刈るとカメムシが田んぼに入ってくるからです。
【斑点米】
稲が登熟(とうじゅく)したころ一斉に草刈りをし、田んぼに入ったカメムシを農薬散布で退治し斑点米の被害を防ぎます。
カメムシを退治するには、どんな方法がある!
カメムシの退治には次の様な方法があります。
1.住宅の中にカメムシを侵入させない方法
(1)忌避(きひ)剤を使い敷地内にカメムシを近づけないようにします。
【商品例】
・カメムシいやよ~ 家庭化学 1袋(20g×5袋)
カメムシの嫌がるにおいでカメムシを寄せ付けない、カメムシ専用忌避剤で有効期限2カ月もあります。
・アディオン乳液 住友化学1本(100mL)
優れた残効性と特異な忌避作用を示します。速効的ノックダウン効果を示し、広範囲の害虫に対して有効です。
2種の殺虫成分(シフルトリン、フタルスリン)と冷却効果で、すばやく長く効果を発揮します。侵入されそうな場所にスプレーしておくだけで約2ヵ月、カメムシをよせつけず、室内に侵入させません。
(2)窓枠、サッシ、サッシ穴、換気孔などの侵入しそうな隙間に薬剤を噴霧塗布して住宅内にカメムシが侵入しないようにします。
【商品例】
・カメムシコロパー 住化エンバイロメンタルサイエンス
1本(420mL)
窓枠、サッシ、サッシ穴、換気口等に噴霧塗布し侵入を防ぎます。
・スミチオン乳剤 住友化学 1本(500mL)
カメムシが侵入する際に乳液に接触することで殺虫効果を発揮します。
(3)養生テープで窓とサッシの隙間、その他の侵入しそうな隙間を塞いでカメムシの侵入を防ぎます。
2.住宅に侵入したカメムシを退治する方法
大量に侵入したカメムシには、殺虫剤散布をして退治します。
【商品例】
フタを取ってこする簡単タイプ。強い噴射力と拡散力でカメムシを一気に駆除してくれます。
水につけるだけの簡単始動。 煙もニオイも少なく、お部屋を汚しません。
直接かけて速効駆除するカメムシ用殺虫スプレー。カメムシのあの嫌なニオイをいい香りに変化させる、ハーモナイズド香料配合です。
・凍殺ジェット フマキラー 1本(300mL)
―85℃の瞬間冷却で飛ぶ虫と這う虫の動きをすばやく止め、嫌なにおいを発する前に瞬殺します。
(3)少量の侵入には、空のペットボトル(1000mL)に少し水を入れ、それに丸い容器をガムテープで貼り付け容器にピンセットを入れて置き、室内にいるカメムシをピンセットで捕獲しペットボトルの中に入れふたをします。
水攻めでカメムシは死に、ペットボトルにふたをすることで嫌なにおいもしません。我が家では、この方法とカメムシ用殺虫スプレーを直接かけて速効駆除する2種類の方法で大量のカメムシを退治しています。
まとめ
カメムシは杉の木や雑草の中で4月頃に産卵、繁殖し、数度の孵化を繰り返し1ヶ月で成虫になるために春に大量発生します。
気温が下がる秋になると、暖かい室内で越冬するために住宅に大量飛来してきます。越冬したカメムシは4月頃に産卵し一生を終えます。したがってカメムシの寿命は1年くらいです。