スーパーのニワトリの卵はどうしてヒナにかえらないのでしょうか?

スーパーで売られているニワトリの卵はどうしてヒヨコにならないんでしょうか?不思議ですね。卵は親鳥が抱いて温めていると卵からヒヨコにかえると思っていましたがどうしてでしょうか。

 


私は小学生のころ、鳩をかっていました。生まれた卵を親鳥が一生懸命温めていました。そんな時に少しでも巣に近づくと羽根で「バシ」と叩かれたり、くちばしで攻撃を受けた怖い経験があります。

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だから子供ごころにも卵を抱いている時は、親鳥に近づいてはダメなんだ!ということを学習しました。やがて数日後に可愛い鳩のヒナが生まれるのです。

 

鳩の卵は温めると孵化するのにスーパーのニワトリの卵はいくら温めても孵化しないのは、なぜでしょうか?今回はこんな卵の孵化の説明をいたします。

 

有精卵と無精卵はどこが違う!

 

オスのニワトリとメスのニワトリが一緒の柵の中で複数羽、放し飼いで飼われていてオスとメスが自由に交尾して産んだ卵は、有精卵といい温めると孵化する卵です。

 


卵の黄身にヒヨコになる「胚盤」がはっきり形成されています。このような養鶏方法を「平飼い」といいます。「平飼い」は、日本の養鶏の2%しかありません。メス100羽に対してオス5羽の割合で飼っています。この割合で、およそ9割ぐらいが有精卵となります。

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一方、メスのニワトリだけが1羽1羽、狭いゲーに入れられて飼われていて、ニワトリが1日1個だけ定期的に生む卵が無精卵です。交尾することがなく生んだ卵ですからいくら温めてもヒナにかえる事はありません。

 

このような養鶏方法を「ゲージ飼い」といい、日本の養鶏の98%もあります。これが有精卵と無精卵の違いです。

 

ニワトリはなんで1日1個、卵を産むの!

人間の女性は1カ月に1回しか排卵がありません。そこに精子が入り受精しなければ卵(らん)は終わりとなります。一方、ニワトリは1日に1回排卵があります。

 

そして受精がなくても卵(らん)のもとに卵が作られて1日に1回
卵が産み落とされます。こうしてニワトリは、1日1個の卵を産んで我々に供給しているのです。

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 一般的に野生の鳥は、早春から夏にかけて訪れる発情期に入ると交尾をして産卵し、卵を抱いて温め孵化させてヒナにかえし、野生のニワトリも同じでしたが人間がニワトリの卵を食べるようになってから人間による品種改良が重ねられて1日1個、1年で約300個も卵を産むニワトリが作られたのです。

 

どうして有精卵が必要なの!

大量生産される無精卵に比べて有精卵は手間がかかり値段も高くなります。また無精卵に比べて味や栄養が優位であることも認められていません。

 

それなのになぜ有精卵が必要なんでしょうか。それはインフルエンザワクチンを作るために有精卵が必要なんです。ウイルスを培養するために生きた細胞が必要で、有精卵が最も適していて、全世界でワクチン製造に有精卵が使われています。

 

まとめ

 

スーパーのニワトリの卵はどうしてヒナにかえらないのでしょうか?をまとめてみました。

 

・スーパーで売っているニワトリの卵が孵化しないのは、無精卵だからです。

 

・オスとメスが交尾して産んだ卵は、有精卵といい温めると孵化する卵です。

 

・メスのニワトリだけが1羽1羽、狭いゲーに入れられて飼われているニワトリが1日1個だけ定期的に生む卵が無精卵です。

 

ゲージ飼いされているニワトリは散歩も砂かけも出来ず、くちばしでつつくのは餌箱の餌だけです。そして毎日毎日、卵を産み続け一生を終わるのです。まさしくニワトリ残酷物語。

 

でもそのおかげで我々は、安い卵を食べることが出来るのです。わたしの地域では土曜限定ですが10個入1パック90円で販売しています。

 

ニワトリの卵はインフルエンザワクチンの製造に使われていますがダチョウの卵が新型コロナウイルスの防疫に使われているようです。

本当に卵の効用はありがたいものですね。