目に見えない脅威、ウイルスってどんなもの!
今、新型コロナウイルスが全世界で猛威を振るっています。国内では
累計感染者数19,991人、死者数977人・全世界では、累計感染者数
11,327,790人、死者数532,340人(7月6日時点)となっています。
いま人類は、この恐ろしい目に見えない敵。新型コロナウイルスに直面して悪戦苦闘をしています。そもそもウイルスってどんなものでしょうか。ウイルスは、「毒液」を意味するラテン語「ウイールス」に由来しています。
1876年ごろは、「感染症の原因は寄生虫と細菌によって起きる」と考えられていました。そして光学顕微鏡観察により細菌は見出されていました。
しかし1892年、「タバコモザイク病」の病原が細菌ろ過器を通過しても感染性があることが発見され、光学顕微鏡では観察できない細菌より微小な病原体があることが発見されました。
この細菌より微小な病原体がウイルスです。1935年、ウイルスは電子顕微鏡で可視化できるようになりました。今回はウイルスの特徴、感染症についてご紹介いたします。
細菌よりも小さいウイルスってどれぐらい小さいのか!
乳酸菌や納豆菌のような細菌は、光学顕微鏡(普通の顕微鏡)で見ることが出来る大きさですがウイルスは電子顕微鏡でないと見ることが出来ない大きさです。
どれぐらいの大きさかというと、人間の髪の毛の直径が0.1mm(100μm)、細菌の大きさは、0.001mm(1μm=1000nmナノメートル)ですがウイルスの大きさは、細菌の10分の1~100分の1の大きさで、10 nm ~100 nm(0.1~0.01μm)です。
【ウイルスの大きさ】
1μm 1 mm
10 nm 100 nm 1000 nm 100μm 1000μm
ウイルス 細菌 髪の毛 野菜の種
の直径
電子顕微鏡 光学顕微鏡 肉眼で見える
で見える で見える
ウイルスの大きさは0.1μmで一般的な不織布マスクの穴より小さい(5μm)のでマスクは通過してしまいます。しかし飛沫感染と他人への飛沫の飛散を防ぐことができます。
人へのウイルス感染は、どのようにしてなるのか!
ウイルスは人間の口や鼻、目から入り、のどの粘膜に入り込んで体の中に侵入します。感染には空気感染、接触感染、飛沫感染、経口感染
などがあります。
【空気感染】
飛沫から空気中に飛び出したウイルスが空気中を広く漂い、それを吸い込んだ人に感染させます。空気感染するウイルスは非常に感染力が強いです。空気感染するウイルスは麻しんウイルスと水痘帯状疱疹ウイルスだけです。
【接触感染】
感染者が触った、ウイルスが付着しているドアノブ、手すりなどに皮膚の直接的な接触。コップやタオルなどによる間接的な接触でウイルスが付着して感染します。
【飛沫感染】
ウイルスが「せき」や「くしゃみ」などに含まれるしぶきに混ざり、空気中に飛び出し、それを吸い込むことで感染します。メディアなどでよく使われる「エアロゾル感染」も「飛沫感染」のことです。
【経口感染】
ウイルスに汚染された食品を生で食べたり、加熱不十分で食べた場合に感染します。
新型コロナウイルスやその他のウイルスはどの感染経路で感染する!その症状は?
ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染、経口感染の4種類の経路でしたが新型コロナやその他のウイルスはどんな経路で感染するのでしょうか。
麻しん(ましん):麻しんウイルス・【空気感染】
ましんと読み、別名「はしか」といいます。高熱が出て赤い発疹が顔面と全身に生じます。非常に感染力が強い病気です。
予防接種はあります。
水痘(みずぼうそう):水痘帯状疱疹ウイルス・【空気感染】
水痘帯状疱疹ウイルスによって発熱と水ぶくれが顔面、首、体に生じます。予防接種はあります。
発しん、発熱、首や耳の後ろのリンパ節が腫れる症状がでます。
バラ色の発しんが全身に出ますが三日ぐらいで消えて治るため三日はしかとも呼ばれます。予防接種はあります。
インフルエンザ:インフルエンザウイルス・【飛沫感染】【接触感染】
インフルエンザウイルス(Aソ連型、A香港型、B型)で感染し悪寒、頭痛、高熱を伴う症状があり肺炎や脳症などの合併症をおこしし重症化する場合もあります。予防接種はあります。
高熱が出て、のどの痛みと結膜炎による目の充血が起きます。
予防接種はありません。
感染性胃腸炎:ロタウイルス・【飛沫感染】【接触感染】【経口感染】
生後7~15カ月の乳幼児に起こります。嘔吐と白っぽい水のような下痢の症状がでます。予防接種はあります。
冬季間に生ガキなどを食べると感染します。嘔吐、腹痛、激しい下痢などの症状がでます。予防接種はありません。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19):新型コロナウイルス
1.37.5℃以上の発熱、喉の痛み、咳、痰など風邪のような症状がでます。
2.4日以上の経過後に高熱、胸部不快感、呼吸困難などが出現し肺炎を起こします。
3.下痢や吐き気などの消化器症状、頭痛、全身倦怠感など肺炎とは関係ない症状がでることもあります。
4.ウイルスが鼻の奥の粘膜に異常を引き起こし、嗅覚障害や味覚障害を引き起こします。予防接種はありません。
まとめ
ウイルスの特徴と感染症についてまとめました。
・細菌の大きさは、0.001mmですがウイルスの大きさは細菌の10分の1~100分の1の大きさです。
・一般的な不織布マスクは0.005 mmですから細菌やウイルスは通過しますが飛沫の飛散を防ぐことができます。
・【空気感染】するのは、麻しんと水痘だけです。
・新型コロナウイルス、アデノウィルス、ノロウイルス、の予防接種はありません。